1. はじめに
1.1 就労支援事業と社会的意義
少子高齢化や労働力人口の減少が叫ばれる現代日本において、多様な人材の活躍が求められています。障がいをお持ちの方や高齢者、その他就労が困難とされる方々に対して、職業訓練や就労支援、アフターフォローなどを提供する就労支援事業は、今後ますます重要性を増していく領域です。
就労支援の取り組みは、単なる社会福祉の一環にとどまらず、人材の活躍の場を広げ、企業にとっても新たな価値を生み出す可能性を秘めています。企業側が多様な人材を受け入れることで、イノベーションや新しい視点の獲得が期待でき、また社会全体の生産性向上にもつながります。
1.2 就労支援業界の現状と課題
就労支援事業は、障がい者就労支援や生活保護受給者の就労支援、高齢者の職業訓練など多岐にわたります。国や自治体の補助金制度や地域のNPOとの連携も多く見られ、社会的インパクトが大きい分野です。
一方で、業界全体を見渡すと、以下のような課題が顕在化しています。
- 財政基盤の不安定さ:補助金に依存する事業モデルも多く、収益の安定化が難しい。
- 人材不足:専門性を持つ人材の確保が難しく、サービス品質や拡大に支障。
- 経営規模の小ささ:事業所単位で独立しており、規模のメリットが出しにくい。
- 継続的な利用者支援:就職後もフォローを続ける必要があり、経営的負担が増大。
こうした課題の解決策の一つとして、M&Aを活用した経営統合や事業継承が注目を集めています。
1.3 M&A市場の概観と就労支援業界への注目
国内のM&A件数は、近年増加傾向にあります。事業継承問題や経営戦略上の必要性から、大小さまざまな企業がM&Aを検討するようになり、M&A仲介会社やアドバイザリーサービスが充実してきました。
就労支援業界においても、
- 事業の拡大
- 地域への展開
- 人材確保
- 経営規模拡大による費用効率化
などを目的にM&Aを活用する動きが高まっています。しかし、一般的なM&A仲介会社は、就労支援業界独特の事情や規制、社会的使命を十分に理解していないケースもあるため、業界特化型の仲介サービスが求められるのです。
2. 就労支援M&A総合センターとは
2.1 設立の背景
「就労支援M&A総合センター」は、就労支援業界の課題を解決するために設立されたM&A仲介支援の専門プラットフォームです。就労支援分野でのM&Aは、通常のビジネスマッチングと異なり、行政の規制や補助金制度、利用者のサポート体制などに深い理解が求められます。また、買収後も利用者の就労環境を維持・向上させることが重要であり、単なる企業買収にとどまらない複雑さが伴います。
本センターは、そうした就労支援業界特有のニーズに応えるため、業界に精通したコンサルタントや行政書士、弁護士、会計士などと連携し、ワンストップでのM&A支援体制を整備。売り手企業の経営者にとっても安心して相談できる環境を提供しています。
2.2 株式会社M&A Doの紹介
株式会社M&A Doは、中小企業から大手企業まで、幅広い業種・規模のM&A仲介とコンサルティングを手掛ける企業です。創業以来、数多くのM&Aを成功に導いてきた実績を有し、特に社会的課題解決型の企業支援に力を注いでいます。
- 企業理念:「M&Aを通じて社会をより良くする」
- 事業内容:M&A仲介、企業評価、事業再生コンサルティング、スタートアップ支援 など
- 特徴:独立系仲介会社として、中立的な立場でクライアントの利益最大化を目指す。特定の金融機関やスポンサーに縛られないため、柔軟な提案が可能。
これまで障がい者就労支援や介護施設のM&Aなど、社会福祉領域における豊富な実績とノウハウを積み重ねてきました。その経験を活かし、新たに「就労支援M&A総合センター」を立ち上げたのです。
2.3 「就労支援M&A総合センター」のミッションとビジョン
- ミッション:
就労支援事業の譲渡・買収を通じて、多様な人材が活躍できる場を創出し、社会全体の就労機会の拡大とサービス品質の向上に寄与する。 - ビジョン:
- 就労支援事業者と買い手企業の最適なマッチングを促進し、業界の発展に貢献。
- 利用者や従業員にとって安心・安全なM&Aプロセスを提供。
- 社会に必要とされる就労支援サービスの継続・拡大を支えるプラットフォームを目指す。
3. 就労支援業界とM&Aの関係性
3.1 就労支援業界におけるM&Aの動向
近年、就労支援業界においてもM&Aは活発化しています。特に以下の3つの要因が主な背景として挙げられます。
- 事業承継問題
中小規模の就労支援事業者では、経営者の高齢化や後継者不足が顕著です。社会貢献性の高い事業ではあるものの、次世代にバトンを渡す体制が整っていないケースも多いため、M&Aが選択肢として浮上します。 - 業務効率化・スケール拡大
就労支援事業は人件費や施設維持コストが大きな割合を占めます。複数の事業所を持つことでスケールメリットが働き、共同購買や設備共有などによりコスト削減が見込めるため、大手による買収意欲が高まっています。 - 新規参入のニーズ
人材サービス企業や医療・介護関連企業が、就労支援を新たな事業領域として注目しており、ノウハウや顧客基盤を早期に得るためにM&Aを行うケースが増加しています。
3.2 就労支援業界の特徴とM&Aの相性
就労支援業界の特徴として、行政との連携や補助金制度、利用者の特性などが挙げられます。これらの要素は煩雑に思われがちですが、逆にM&Aで統合されることで下記のようなメリットが生まれます。
- ノウハウの共有:幅広い障がい特性や支援プログラムをカバーするノウハウを統合できる。
- 経営基盤の強化:グループ全体での財務基盤の安定化、リスク分散が可能。
- イノベーション推進:異なる背景を持つ事業者同士が統合することで、新たなサービス開発が期待できる。
一方、就労支援事業者は経営規模が小さいケースが多く、M&Aプロセス自体に不慣れなことも少なくありません。そのため、M&Aの専門家やアドバイザーの存在が極めて重要となります。
3.3 M&Aを活用するメリット・デメリット
メリット
- 事業の安定化:売り手側は後継者問題を解決でき、買い手側は事業拡大を図れる。
- 人材確保:従業員や専門スタッフを直接取り込むことで、人材不足を解消。
- 社会的評価の向上:就労支援に参入することで社会貢献性を高め、企業価値を上げる。
デメリット
- 組織文化の摩擦:異なる社風や理念が統合時に衝突する可能性。
- コスト負担:買い手にとっては買収コストや設備投資が必要。
- 利用者への影響:サービス内容やスタッフの変更が利用者に不安を与える恐れ。
こうしたメリット・デメリットを踏まえ、業界特有の規制やステークホルダー対応のノウハウを持つ仲介会社のサポートが不可欠なのです。
4. 就労支援M&A総合センターの特徴
4.1 売り手企業から手数料をいただかない仕組み
「就労支援M&A総合センター」を運営する株式会社M&A Doの最大の特徴は、売り手企業から手数料をいただかない点にあります。一般的なM&A仲介会社では、譲渡金額や企業規模に応じて売り手企業から仲介手数料を徴収するケースがほとんどです。
一方、本センターでは買い手企業からの手数料と成功報酬モデルを採用しており、売り手の経営者が安心して相談できる体制を整えています。
なぜ手数料を売り手企業からいただかないのか? それは就労支援業界が抱える社会的課題を解決するために、できるだけ多くの事業者がM&Aを検討できる環境を作ることが重要だと考えているからです。経営規模が小さく、財務的に余裕がない企業でも、後継者問題や事業承継に直面した際に、資金面でのハードルを理由にM&Aを断念してしまうことがないようにするのが狙いです。
4.2 中立的な立場でのアドバイス
売り手から手数料を取らないことと同時に、株式会社M&A Doは中立的な立場を強みとしています。特定の金融機関や大手企業グループの傘下に入っていない独立系仲介会社であるため、買い手企業の都合だけで物事を進めるようなことはありません。
就労支援事業の譲渡が実際に実施された後も、利用者や従業員が不利益を被らないよう、公平性と透明性を重視したアドバイスを行います。
4.3 業界知見の深さとネットワーク
就労支援業界に特化した専門チームを有しており、
- 障がい者就労支援
- 生活困窮者支援
- 高齢者向け就労支援
- 企業向けコンサルティング型の就労支援
など、各分野の専門家が協力しながら案件をサポートします。
また、行政書士や社会保険労務士、会計士、弁護士などの専門家ネットワークも充実しており、許認可の継承手続きや雇用契約、労務管理など、M&A時に必須となる手続きをスムーズに進められる体制を整えています。
4.4 デューデリジェンスとバリュエーション
M&Aを成功させるために重要なのが、企業の正確な評価(バリュエーション)とデューデリジェンス(DD)です。就労支援事業では、事業所の稼働率や利用者数、スタッフの専門資格の有無など、一般的な企業評価とは異なるポイントが重視されます。
本センターでは、就労支援事業特有の指標を踏まえた企業評価を行い、買い手企業にも分かりやすい形で提示します。デューデリジェンスでは、補助金の申請履歴や行政からの監査結果なども考慮し、不透明なリスクを洗い出すことで双方が安心して交渉を進められるようサポートします。
5. M&Aのプロセスとサポート内容
5.1 初期相談からクロージングまでの流れ
- 初期相談・ヒアリング
売り手企業の状況や希望条件を丁寧にヒアリング。今後の流れや必要となる書類、スケジュール感などを説明し、M&Aに対する不安や疑問を解消します。 - 企業評価・アドバイザリー契約
ヒアリング内容や財務諸表、事業所の運営実績などをもとに、概算の企業価値を算出します。ここでアドバイザリー契約を締結し、正式に案件化します。 - 買い手候補の選定・打診
業界特化のネットワークと独自のデータベースを活用して、適切な買い手候補を探します。売り手企業の希望に沿った形で、秘密保持契約を締結した上で情報を開示し、初期的な打診を行います。 - トップ面談・意向表明
買い手候補とのトップ同士の面談を設定し、ビジョンや事業方針をすり合わせます。その後、買い手から意向表明書(LOI)が提出され、価格や条件面が大枠で合意されます。 - デューデリジェンス(DD)
財務、税務、法務、人事労務、事業面など多岐にわたる調査を行い、リスクや今後の課題を洗い出します。就労支援事業特有の許認可や補助金実績なども確認対象です。 - 最終交渉・契約書作成
デューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な買収価格や譲渡条件を詰めます。その後、譲渡契約書(SPA)や関連契約書類を作成します。 - クロージング
最終契約書に署名・捺印し、譲渡対価の支払い・株式移転などの手続きを完了。ここで正式にM&Aが成立します。 - ポストM&A支援
組織統合や従業員ケア、利用者に対する説明など、買い手と協力してスムーズな移行を支援します。
5.2 企業評価とバリュエーションのポイント
就労支援事業のバリュエーションには、通常の企業評価指標に加えて以下の点を考慮します。
- 利用者数と稼働率:安定した稼働率があるかどうか。
- スタッフの資格・スキル:サービスの質や継続性に影響。
- 行政からの補助金の種類と実績:経営の安定性を左右。
- 地域性と競合状況:地域ごとのニーズや独自性を評価。
これらの要素を組み合わせて、将来的な成長性や社会的評価も含めた総合的な企業価値を算出します。
5.3 マッチングと交渉の進め方
M&A交渉では、価格だけでなく「事業の継続性」「利用者や従業員への配慮」が非常に重要です。就労支援業界では、経営者の思いや社会貢献への姿勢が大きく左右します。
- 事業ビジョンの共有:双方が同じ方向性を持つかどうかを丁寧に確認。
- 運営方針の整合性:利用者支援の手法やスタッフの労働環境がどのように変わるかを事前に擦り合わせ。
- 信頼関係の構築:トップ面談だけでなく、現場担当者同士の意見交換も積極的に行う。
5.4 契約書作成と最終合意
デューデリジェンスの結果を反映し、株式譲渡契約書(SPA)や事業譲渡契約書などを作成します。就労支援事業の場合、許認可の承継や補助金継続のための手続きが必要となるケースもあるため、細心の注意を払いながら条項を作成します。
最終的に双方が合意すれば、契約締結・クロージングを迎え、譲渡対価の支払いと株式や事業資産の移転手続きを実施します。
5.5 ポストM&Aにおける統合支援
買い手企業と売り手企業がそれぞれ異なる組織文化を持つ場合、統合後に混乱が生じることがあります。特に就労支援事業では、利用者への影響が大きくなるため、ポストM&Aでのサポートが欠かせません。
- スタッフや利用者への説明会
- サービス連携の再構築
- 管理部門の統合作業
株式会社M&A Doでは、必要に応じてこうした統合支援も行い、新体制の早期安定を図ります。
6. 売り手企業にとってのメリット
6.1 手数料無料のインパクト
「就労支援M&A総合センター」が提供する最大のメリットは、売り手企業から仲介手数料をいただかない点です。一般的なM&A仲介会社であれば、譲渡金額の数%を手数料として請求するケースがほとんどで、譲渡規模によっては数百万円以上になることもあります。
資金繰りに余裕がない中小の就労支援事業者にとって、この手数料負担は大きなハードルとなり得ますが、本センターではその心配がありません。
6.2 企業価値の最大化と運営方針の継承
売り手企業にとって、M&Aは単なる現金化の手段ではなく、事業の理念や運営方針を次世代にバトンパスする意味合いを持ちます。就労支援事業は、利用者への継続的な支援が求められるため、買い手を慎重に選ぶ必要があります。
本センターでは、事業価値だけでなく経営者が大切にしてきた理念や運営方針を重視し、それを理解してくれる買い手企業とマッチングを行います。結果として、企業価値の最大化と事業の継続性を両立させることが可能になります。
6.3 スムーズな事業承継と経営者の負担軽減
就労支援事業者は、経営者が現場対応にも深く携わっているケースが多いです。そのため、M&Aの準備や交渉、書類作成などを自力で行うのは相当な負担となります。
本センターを利用すれば、経験豊富なコンサルタントが一気通貫でサポートするため、経営者は日常業務に専念しながらM&Aプロセスを進めることができます。特に、売り手企業の経営者にとっては、手数料の心配なく必要なサポートを受けられるのは大きなメリットです。
6.4 雇用の維持と利用者支援の持続性
就労支援事業においては、従業員の雇用や利用者への支援継続が非常に重要です。M&Aによるオーナー交代や経営体制変更があっても、サービスを提供するスタッフが安心して働ける環境であることは不可欠です。
本センターでは、買い手企業との交渉時に、雇用継続や施設運営方針などを事前に確認し、契約書にも反映させることで、利用者支援が途切れるリスクを最小化します。
7. 買い手企業にとってのメリット
7.1 新規参入のスピードアップ
就労支援事業は、行政許認可や施設基準など複雑な要件が多く、新規参入するには時間とコストがかかります。しかし、既存の事業者を買収することで、短期間でノウハウとスタッフ、利用者ベースを獲得できるのは大きなアドバンテージです。
7.2 サービス拡充とブランド強化
人材サービス企業や医療・介護事業者が就労支援業界に参入すると、相乗効果が期待できます。例えば、介護事業者が障がい者就労支援を取り込むことで、総合的な福祉サービスを展開でき、ブランドイメージの向上や利用者の増加が見込めます。
7.3 スケールメリットの享受とリスク分散
買収によって複数の事業所を運営することで、施設設備の効率利用や人材配置の最適化など、スケールメリットを享受できます。また、新たな事業領域に進出することでリスク分散の効果も期待でき、企業全体の安定性が高まります。
7.4 組織文化の融合と人材獲得
就労支援事業に従事するスタッフは、高い専門性と福祉への強い情熱を持っています。このような人材を一度に獲得できる点も、買い手企業にとっては大きな魅力です。組織文化やノウハウをうまく融合することで、さらに競争力の高いサービスを提供できるでしょう。
8. 事例紹介:成功への道のり
ここでは、実際に就労支援M&A総合センターを通じて成約した事例をいくつかご紹介します。実名や詳細な数字は伏せますが、成功のポイントや手法などを参考にしていただければ幸いです。
8.1 就労支援A社と医療法人の連携事例
- 背景:就労支援A社は、障がい者向けの就労移行支援と定着支援を手掛ける中小企業。代表者が高齢化しており、後継者が見つからないことが悩みだった。
- 買い手企業:地域密着型の医療法人。慢性期病院とクリニックを運営し、障がい者支援にも興味を持っていた。
- プロセス:
- 代表の高齢化による承継相談→事前査定
- 医療法人が地域での総合福祉サービスを展開したい意向→トップ面談
- 価格交渉・デューデリジェンス→最終契約
- 結果:スタッフの大半が継続雇用され、医療法人のリソースを活かし新規事業所もオープン。利用者の医療的ニーズへの対応が強化され、両社ウィンウィンの結果となった。
8.2 障がい者就労B社と人材サービス企業の統合事例
- 背景:障がい者就労B社は、就労継続支援B型を運営。財務面の不安定さを抱えていたが、スタッフの専門性は高かった。
- 買い手企業:全国展開する大手人材サービス企業。社員研修や採用コンサルティングを行っており、多様な人材活用を模索中。
- 成果:B社の就労支援ノウハウと人材サービス企業の営業力が掛け合わさり、新たな受注ルートが広がった。B社の財務状況も買い手の支援により安定化し、スタッフのモチベーション向上につながった。
8.3 地域密着型C社の新オーナーによる再成長事例
- 背景:地方都市に複数の就労支援事業所を運営するC社。代表者が病気で突然退任せざるを得なくなり、早急な承継が必要に。
- 買い手候補:同エリアに進出を狙う福祉関連企業数社が名乗りを上げる。
- 決め手:地元企業としてのノウハウと行政とのパイプを重視。新オーナーのC社買収後、早期の仕組み再構築とスタッフ再配置により、短期間で業績回復。
8.4 事例から見るM&A成功要因
- 経営トップ同士のビジョン共有:就労支援の社会的意義と事業運営の方向性が合致していた。
- スタッフ・利用者ファーストの施策:統合後も現場の混乱を最小化し、サービス水準を維持。
- 専門家の適切なサポート:業界特有の許認可や補助金面のチェックがスムーズに行われた。
9. 就労支援業界M&Aにおける注意点
9.1 行政許認可とコンプライアンスの重要性
就労支援事業には、厚生労働省や地方自治体が定める許認可や報酬基準、補助金の給付要件などが存在します。M&A後に許認可が引き継げないと事業そのものが継続できなくなる可能性があるため、事前の確認が必須です。
また、コンプライアンス違反があった場合、行政処分や補助金返還リスクが発生します。そのため、デューデリジェンスの段階で詳しくチェックし、問題があれば修正プランを策定することが求められます。
9.2 デューデリジェンスで確認すべきポイント
- 財務状態:補助金が正しく計上されているか、過去に返還リスクはないか。
- 人事労務:スタッフの資格要件、労働条件、社会保険手続きの適正性。
- サービス品質:利用者満足度やクレーム履歴、指導監査の結果など。
- 契約関係:業務委託や賃貸契約、行政との協定書の内容。
9.3 従業員・利用者への丁寧な情報開示
M&Aが公表されると、スタッフや利用者は将来への不安を抱きがちです。特に就労支援事業は利用者が心身に障がいを持つ場合が多く、環境変化に敏感なケースも少なくありません。
- スタッフ向け:雇用条件や業務方針がどのように変わるのか、早めに説明。
- 利用者向け:支援内容や担当スタッフの変更の有無などを丁寧に案内。
9.4 事業モデルと経営ビジョンの擦り合わせ
就労支援事業は、単なる営利目的ではなく社会貢献や利用者支援に重きを置く場合が多いです。買い手企業が経済合理性だけを追求してしまうと、サービスの質が低下し、社会的批判やスタッフの離職にもつながります。
そのため、M&A成立後の事業モデルや経営ビジョンをしっかりと擦り合わせ、**「誰のためにどのような価値を提供する事業なのか」**を共有する必要があります。
10. 就労支援M&A総合センターがもたらす未来
10.1 地域社会への貢献と就労機会の拡大
「就労支援M&A総合センター」を活用して事業承継や経営統合が進むことで、地域社会に多大なメリットがもたらされます。特に、地方や過疎地域においては、就労支援事業所の撤退は利用者にとって死活問題です。M&Aにより事業が継続すれば、利用者の雇用と生活支援が守られるだけでなく、新たな就労機会も創出されます。
10.2 業界全体の質向上と事業者連携の深化
業界全体でM&Aが活発化すると、優れたノウハウやサービスが共有される機会が増えます。小規模事業所が大きなグループに入ることで、教育や研修プログラムが充実し、スタッフのスキルアップにもつながります。
また、事業者同士の連携が深化することで、地域の福祉ネットワークが強化され、利用者に対する多面的なサポートが実現します。
10.3 M&Aによる業界変革のビジョン
就労支援業界は、今後ますます社会からの期待が高まる分野です。同時に、財政面や人材面、事業継続面での課題が山積しています。M&Aの活用はこれら課題解決の一助となり、新たなステージへと業界を導く可能性を秘めています。
- サービス革新:新しいビジネスモデルやテクノロジーを組み込むことで、より効率的で利用者本位のサービスを提供。
- 雇用の多様化:障がい者や高齢者、外国人労働者など、多様な人材が活躍できる場を拡大。
- 国際展開:日本の就労支援ノウハウを海外に展開する企業が増えれば、新たな市場が開拓される可能性も。
10.4 株式会社M&A Doの今後の展望
株式会社M&A Doは、単にM&A仲介を行うだけでなく、社会的課題の解決に寄与する企業としての役割を自覚しています。就労支援以外にも、介護、医療、教育などの福祉・公益性の高い分野でのM&A支援に注力し、より豊かな社会を作る一翼を担いたいと考えています。
- 新サービスの開発:シナジー創出を支援するアフターM&Aコンサルティングの強化。
- 業界横断的なプラットフォーム構築:就労支援のみならず、教育、介護、医療などを包括したマッチングプラットフォームの可能性追求。
- 海外進出:日本の福祉モデルを海外に発信するM&Aスキームの構築。
11. まとめ
11.1 就労支援業界におけるM&Aの可能性
就労支援業界は、少子高齢化や多様な働き方の普及、社会的包摂の重要性が増す中で、さらに注目度が高まると予想されます。一方で、後継者不足や財務基盤の脆弱性など、多くの事業者が課題を抱えています。M&Aは、こうした課題を解決し、事業継続とサービスの質向上を同時に実現できる有効な手段です。
11.2 「就労支援M&A総合センター」の独自性と意義
- 業界特化の専門性:就労支援独自のノウハウ、行政手続き、補助金制度などを熟知。
- 売り手から手数料を徴収しない:資金的ハードルを下げ、より多くの事業者がM&Aを検討できる環境を提供。
- 中立かつ透明なサポート:社会貢献性を重視し、利用者やスタッフに配慮した交渉を実現。
「就労支援M&A総合センター」は、就労支援業界に新たな選択肢をもたらし、社会全体の就労機会拡大や福祉サービス向上に寄与します。
11.3 本サービス活用によるメリットと今後の期待
- 売り手:手数料無料で安心してM&Aに臨め、事業承継や経営発展の道が開ける。
- 買い手:専門性の高いスタッフや事業所を短期間で獲得し、新規参入や事業拡大を実現。
- 業界全体:ノウハウ共有やスケールメリットを活かし、サービス品質と利便性が向上。
本サービスを通じて、一社でも多くの就労支援事業が持続的に運営され、地域社会を支え、多様な人々が生き生きと働ける環境が整うことを、株式会社M&A Doは心より願っています。
12. よくある質問(FAQ)
12.1 手数料無料は本当なの?
はい、本当です。「就労支援M&A総合センター」では、売り手企業から手数料をいただかない方針を徹底しています。買い手企業からの仲介料と成功報酬モデルで運営しているため、売り手の経営者は安心してご相談いただけます。
12.2 相談や企業査定に費用はかかるの?
初期相談や企業査定・概算バリュエーションは基本的に無料です。正式なデューデリジェンスに移行する場合には、状況に応じて必要経費が発生するケースもありますが、その際は事前に丁寧にご説明します。
12.3 自社が売りに出せるレベルか判断できない
就労支援事業の売却には、許認可の状況や利用者数、スタッフ構成など確認すべき事項が多岐にわたります。まずは本センターにご相談いただき、現状分析と可能性の評価を受けてみてください。
12.4 買い手企業の情報はどのように開示される?
秘密保持契約(NDA)を結んだ上で、買い手企業の概要や財務状況、事業計画などをご提示します。売り手企業のニーズや条件と買い手の事業計画を照合し、マッチ度が高い企業から優先的にご案内します。
12.5 成約後のフォローはあるの?
はい。ポストM&Aの統合プロセスをサポートするオプションサービスをご用意しています。スタッフや利用者への説明方法、人事制度の統合など、必要に応じて支援いたします。
13. 付録:用語集
- 就労支援事業:障がい者や高齢者、就労困難者に対して職業訓練や就労先の紹介、定着支援を行う事業。
- 障がい者就労支援:障がい者総合支援法に基づき、就労移行支援、就労継続支援A型・B型などの事業形態がある。
- 中間支援組織:行政と就労支援事業者、企業の間を繋ぎ、連携や情報交換を促進する団体。
- M&A仲介会社:売り手と買い手の間に立ち、交渉や手続きのサポートを行う専門会社。
- デューデリジェンス(DD):企業や事業の買収前に行う詳細調査。財務、税務、法務、人事など多角的に実施される。
- 企業価値評価(バリュエーション):将来のキャッシュフローや業界特性、資産・負債状況などを分析し、客観的に企業の価値を算定する。
- ロイヤルティインタビュー:M&Aの際に、主要スタッフや取引先、顧客から事業や経営者に対する評価・信頼度をヒアリングする調査手法。
14. 最後に
就労支援業界は、人口減少社会において「多様な人材が活躍する場を創造する」という大きな使命を担っています。しかし、その運営には財務面、人材面など数多くの課題があり、個々の事業者だけで解決するのは難しい場合が多いのが現実です。
ここでM&Aを活用することで、事業を存続させ、新たな成長や革新を起こす可能性が生まれます。特に「就労支援M&A総合センター」では、売り手企業から手数料をいただかないという独自の仕組みを通じて、より多くの就労支援事業者がこの選択肢を検討できるようにサポートしています。
株式会社M&A Doは、社会的課題の解決と持続的な企業成長を両立させるためのパートナーとして、今後も就労支援業界の皆さまと二人三脚で歩んでいく所存です。就労支援事業の譲渡や買収を検討している方、あるいは事業継承でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちは、皆さまの想いを大切にしながら、最適なソリューションをご提供いたします。